『怪盗ジョーカー』は何故地上波で全国放送しないのか?推測
※注意:この記事は投稿者の推測等が混じっていますのでご注意願います。
今秋から様々なアニメが放送されている中、コロコロコミック連載中の『怪盗ジョーカー』が現在絶賛放送中である。既に数話放送されており、地上波では東京ではゴールデンタイムで、又ニコニコ動画でも日本全国へ配信されており徐々に人気は出てきています。
いわゆるキッズアニメではあるのですが、地上波での放送は現在は東京MXテレビのみで、放送エリアは東京都全域とその周辺(神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・山梨県・群馬県・栃木県・静岡県のそれぞれ一部)とテレビではかなり限定された地域しか視聴できないのです。
それ以外の地域については放送されておらず、視聴するには有料CS放送のキッズステーションに加入するか、又はニコニコ動画等の一部のネット配信に頼るしかないのが現状となっています。未加入の場合、視聴までには様々な手続きが必要で、キッズステーションであればケーブルテレビに加入するか、それが無い場合はCSアンテナとチューナーを用意・設置した上でスカパーに加入してそれからキッズステーションが視聴可能なコースを選ばなければなりません。ネット配信の場合はパソコンやスマホなどインターネット接続環境等を用意した上で配信供給会社への加入(ニコニコ動画の場合は会員登録)が必要となります。そのため地方では視聴の為には月額料金を払ったり有料配信を課金するなどで気軽にいつでも見られる状況ではありません。
番組録画についてはキッズステーションはコピーワンス(BDなどへの光メディアへの移動は1回のみ)がかかり、ネット配信については録画不可な上に無料視聴期間は僅か1週間のみであります(但し第1話を除く)。
東京MXテレビが視聴できない地域では本放送から3~4週間遅れとなっており、上記の事情もあり各話見るのにはかなり苦労を強いられているのであります。
地上波で放送されていない地域での現状
上記の通り有料CSやネット配信だけでは主に小学生以下の子供たちをターゲットにしているだけに敷居が高くなり、アニメの知名度も東京に比べてもあまり高くないと思われます。深夜などのアニメならともかく今回はキッズアニメであり、これはかなり致命的だと思われます。
その為、私の地元においては以下のようなことが起きております。
- コミックスが「アニメ化記念コーナー」から外されている
本屋などにおいてアニメ化になった作品は特設コーナーに集められることがあるのですが、何故か怪盗ジョーカーだけは外されていました。一度コミックスを探しているときに店員に尋ねた時に聞いてみたところ子供たちに放送時間とか聞かれても回答に困ってしまうのであえて置いてないとのことでした。地元のテレビ局やBSで放送されてないのであえてそうしているようでした。
- CDやグッズ類が殆ど見つからない
これも地元のテレビ局で放送されてない影響で入荷量が少なくしているか、又は最初から全く取り扱っていないかのいずれかとなっています。大型量販店ですら関連のおもちゃ(謎解きミラクルポーカー)があまり置いていませんでした(遊戯王やヴァンガードなどは沢山あれど)。
CDについてもOPの曲については「アニメコーナー」になく「J-POP」のコーナーにありました。EDの曲は数軒廻ってやっと1枚見つけた有様です。
アニメとしての知名度も無くあまり売れないだろうとのことだろうかなと思います。
- 対象年齢層のアニメ化の知名度が低い
同僚にコロコロコミック等を読んでいる子供がいるので色々と聞いてみたら、放送してないこともありアニメ化のことはあまりよく知らないとのことでした。
以上が地方での怪盗ジョーカー関係の現状です。ただ私の地元に限った話で全国的にどうかまでは不明なので必ずしもそうとは言い切れないとは思いますが、地方では地元では放送してないからアニメ化は無かったことにされている、そんな気がします。
何故全国ネットしないのか?
これだけメディア展開しているのにかかわらず、何故東京MXテレビ以外の地上波では放送されないのか推測で考えてみました。
- 東京エリアのみカバーすれば十分と思っている
話によれば東京MXテレビの視聴可能エリアだけで日本の全人口の約25%をカバーできているらしいです。たった1局だけで日本人の4人に1人が見れるのであれば制作側も安く抑える上にスポンサー側もマーケットとしては十分とされているのではないかと思われます。最近の深夜アニメの傾向にもよく似た話ですね。
(参考データ:TOKYO MX 視聴ガイド)
- 全国放送は有料CSとネット配信に任せている(棲み分けされている)
利権絡みでいやらしい話ではあるのですが、加入者を増やしたいキッズステーションと課金を増やしたいネット配信会社の思惑でそうなっているのではないかと思わずにいられない。
今のところ全話DVDやBlu-ray化の話も出ていないので、どうしても見たい地方民は加入・課金させようとしているのかもしれませんね。
- 東京MXテレビの営業力が弱い
東京MXテレビですが20年ほど前にできた主に東京都をエリアとしている独立放送局で、在京キー局と違い自前のネット局も無く、東京都以外には支店も営業所も無いのです(同じ弱小局と言われているテレビ東京は関東広域局で全国に支社・支店があるのでここが大きく違います)。その為に地方への売り込みがなかなかできない背景があるのではないかと思います。実際に他の番組についても同じ独立放送局(KBS京都やサンテレビ)に協力を得て放送できているぐらいしか感じられません。
- 地方局が放送に消極的・慎重である
最近の不景気もあってか地方の放送局も番組購入がなかなかできない事情もあるのではないかと思われます。ましてや少子化傾向もあり、キッズアニメの放送は視聴率やスポンサーの都合もあって慎重になっているのかもしれません。
何故BSで放送されないのか?
東京MXテレビといつもセットで放送してくれるBS11が放送されない理由としては、これは多分EDの製作テロップにも名前が連なっているキッズステーションが絡んでる影響と思われます。衛星波上の放送権をキッズステーションがほぼ独占的に握ってる限り、BS11やTwellVは放送できないと思われます。もしBSで放送してくれれば地方での視聴状況は幾分改善されるのですがこればかりは残念としか言いようがありませんね。
地方局への放送拡大の可能性は?
上記の「東京エリアのみカバーすれば十分と思っている」でMXの視聴可能人口は全人口25%で述べていますが、では営業的な観点で他の地方の放送エリアではどれくらいの人口をカバーできているのか調べてみました。表は3大都市圏+各放送エリア内の視聴人口が200万人以上の地域をピックアップしています。
(参考データー:都道府県別人口(エクセル:50KB) - 総務省統計局)
地域 | 都道府県 | 放送局 (主に県域・準広域局) | 人口 (万人) | 割合 | |
---|---|---|---|---|---|
関東 33.5% | 南関東 | 東京、神奈川、埼玉、千葉 | MX、TVK、TVS、CTC | 3,579 | 28.1% |
北関東 | 群馬、栃木、茨城 | GTV、GYT ※茨城県域民放無 | 690 | 5.4% | |
関西 16.3% | 京阪神 | 大阪、兵庫、京都、滋賀 | SUN、KBS(、BBC、TVO) | 1,844 | 14.5% |
奈良・和歌山 | 奈良、和歌山 | TVN、WTV | 236 | 1.9% | |
中京 08.9% | 愛知 | 愛知 | TVA | 744 | 5.8% |
岐阜・三重 | 岐阜、三重 | GBS、MTV | 388 | 3.0% | |
他 41.3% | 福岡・佐賀 | 福岡、佐賀 | KBC、RKB、TNC、FBS、TVQ | 593 | 4.7% |
北海道 | 北海道 | HBC、STV、HTB、UHB、TVH | 543 | 4.3% | |
静岡 | 静岡 | SBS、SUT、SATV、SDT | 372 | 2.9% | |
岡山・香川 | 岡山、香川 | RSK、OHK、TSC、RNC、KSB | 291 | 2.3% | |
広島 | 広島 | RCC、HTV、HOME、TSS | 285 | 2.2% | |
新潟 | 新潟 | BSN、NST、Teny、UX | 233 | 1.8% | |
宮城 | 宮城 | TBC、OX、MMT、KHB | 230 | 1.8% | |
長野 | 長野 | SBC、NBS、TSB、ABN | 212 | 1.7% | |
他 | 上記以外の都道府県 | 各エリア内の民放 | 2,490 | 19.6% | |
合計 | 12,730 | 100.0% |
※実際の数値はスピルオーバー分を含めばそれ以上の可能性はあります。
上記の表を見ている限りでは関東だけで約33%となり日本の全人口の3分の1をカバーすることになります。又、大都市エリアのみであれば例えば以下の組み合わせなら
南関東+京阪神 =約42.6%
南関東+京阪神+愛知=約48.4%
になります。これを踏まえて放送局拡大パターンを考えてみます。
①とりあえず関東全域をほぼカバーする場合
(計33.5%)
この場合、東京MXテレビの電波が届きづらい北関東の独立局2局(群馬テレビ、とちぎテレビ)でも放送開始することなります。この2局はMXのスピルオーバーの影響も少なく、関係も比較的良好であるので可能性はあるかもしれません。
南関東の独立局3局(tvk、テレ玉、チバテレビ)でも放送開始すれば問題ないのですが、東京スカイツリーの送信出力増加のいざこざで関係はうまくいってないし、MXとエリアが被る箇所が多いので可能性は低いかもしれません。
ただ茨城県内についてはどのパターンでも他局のスピルオーバーの恩恵を受けない地域は見れないことには変わりありません。
②①に加えて視聴人口が2番目に多い京阪神エリアでも放送開始する場合
(計46.0%)
この場合、京阪神の独立局2局(サンテレビ、KBS京都)でも放送開始することなります。この2局は「5時に夢中!」を同時ネットしたり等で関係が比較的良好であるので可能性はあるかもしれません。関西エリアでの知名度UPと拡販を狙うなら絶対外せないでしょう。
テレビ和歌山と奈良テレビはテレビ東京系以外のアニメ放送実績が殆ど無いのでなんとも言えませんが可能性はあります。びわ湖放送は滋賀県内でのKBS京都とほぼ受信可能エリアが被るので放送はおそらくは無いかもしれません(ただ滋賀県全域を完全カバーできるメリットはありますのでその限りではありません)。
なお関西広域局(MBS、ABC、関西テレビ、読売テレビ)への放送は独立局制作アニメの為、独立局に配慮して多分無いでしょう。又テレビ大阪(テレビ東京系)はサンテレビとの関係や大阪府内での受信可能エリア被り等を考慮して多分放送しないでしょう。
③②に加えて視聴人口が3番目に多い中京エリアでも放送開始する場合
(計54.9%)
この場合、独立局2局(ぎふチャン、三重テレビ)でも放送開始することなります。場合によってはテレビ東京系の放送局でもあるテレビ愛知も加わることも考えられます。中京エリアでの知名度UPと拡販を狙うなら絶対外せないでしょう。
なお中京広域局(CBC、東海テレビ、メ~テレ、中京テレビ)への放送は独立局制作アニメの為、独立局に配慮して多分無いでしょう。
上記①~③だけで日本の人口全体の5割強をカバーすることとになります。それ以外でも人口の多い放送エリア(福岡や北海道等)を重点的に拡大すれば6~8割まではいくでしょう。無論全国全てに放送できるのが一番と思います。
あとは製作サイド側が放送拡大のやる気があるかどうかですね。
最後に
現時点では放送エリアの拡大の動きは無いみたいで、おそらく現状のままの可能性が高いかもしれません。現在テレビ局が所持している放映権については放送終了2年後に切れるので最悪の場合はその時点からの放送開始を待つしかないかもしれませんが、この場合は商品展開は終了している可能性が高いのでオワコン状態になっているかもしれません。
情報では1クールで一旦最終回となって、来年4月から2クール目以降放送再開とのことなので、放送休止期間中に地方でも放送して格差を埋めるのには絶好のチャンスかもしれません。
これだけ盛り上がりを見せているので、是非とも地上波の放送局拡大を検討願えば嬉しい限りです。関連グッズも全国で販売するなら全国での放送あってのものなので売ってナンボの世界ですからね。